…――目が覚めると、そこに彼の姿はなかった。 さっきまで、あたしを抱き締めてくれていたぬくもりは、まだ残っているような気がして。 不自然に空いた隣のシーツを、そっと触った。 そこには、もう、彼の温度は感じられなくて。 あたしは、そのシーツをギュッと握りしめ、 一筋の涙を流した。 …――そんな、恋の話だった。