――月明かりが、カイトの綺麗な顔を照らしていた気がする。


最後だから、ちゃんと、カイトの顔を見ていたかったのに。


涙が邪魔して、よく見えなかった。


だから代わりに、何度も名前を呼んだ。


カイトはそれに答えるように、あたしの名前を呼んだ。


甘い痺れも、甘い感覚も。


大切そうにあたしを包み込んでくれる、その優しい手も。


君の優しいぬくもりも、「愛してる」と囁いてくれるその声も。




最後の最後に、一度だけ交わしたリミットのキスも。














あたしは、一生、忘れないよ――