待て!!
待ってくれたまえ諸君!!!!
なんなんすかこの…この状態!!!?
ってかなんかあたし荷物扱い!!!?
カイトはテーブル上のノート類を閉じて重ね、ドアの横にある電気のスイッチを消し、
それからクローゼットへと足を向ける。
(この間数秒)
「千早ー?居ないのー?」
階段を上ってくる足音が聞こえる。
あ゛ぁ…大変だぁ!!!!
「かっカイトヤバいって…!!」
あたしはカイトの肩に口元を寄せてボリュームを下げながら、カイトに呼び掛ける。
でも、カイトのヤツは落ち着き払ってクローゼットを開けて……。
中にあたしごと入った。
んにゃ!!!?
何故にこんなところへ!!!?
しかも何故に電気を消した!!!?
とかごちゃごちゃと脳内で考えていたあたしの耳に、部屋のドアが開く音がした。
「ちー…あら?真っ暗…居ないのかしら…」
少し間を置いてから、お母さんが部屋の中へ入ってくる様子が聞き取れた。
あたしは狭いクローゼットの中で、カイトの肩に頭を預けて息を殺す。
この中は狭すぎだから、カイトのあたしを抱き締める…っつーかむしろ押さえ付ける力が強まっている。


