あたしはクワンクワンする頭を押さえつつ、
「な…何すんのさ~」
と、泣き声で喚く。
が、花梨は肩で息をしながら、あたしの頬をつねった。
「あんたのお母さんから電話があったんだから!帰ってこないって!心配して、みんなで探しまわってたら、あのアルファとか言うヤツが…
……一ノ瀬くんが居なくなるって、言うから…!!」
…嗚呼、そうか。
もう、みんなに隠す必要もないのか。
「も、ホンット心配したし!あのアルファってヤツがみんなを集めてくんなかったら、一ノ瀬、何も言わずに行くつもりだっただろ!
許さねェかんな!俺は絶対ヤダかんな!!」
花梨の隣に並んでいた瑞希が、カイトに責め寄り怒鳴る。
カイトは身を後ろへ引きながら、「悪い」と一言、呟くように謝った。
いつの間にか、この二人は、“親友”と呼べる仲になっていたのかもしれない。
あたしは、花梨に頬をつめられたまま、カイトと同じように「ごめんなさい」と謝った。
途端に、花梨はグッと堪えるように眉根を寄せ、潤んでいく瞳を隠すようにそっぽを向いた。
「やっぱり、あんたはあたしに何も言わないのよね!一ノ瀬くんが普通の人間じゃなくて、もう別れなきゃいけないって言う時に、そうやって…
……泣くのも我慢してヘラヘラ笑いやがって…!!
バカよ…あんた究極のバカよ!!
救いようのないバカよもう!!
あたしは、別にそうやって我慢する必要ないと思うわよ!
泣きたいなら泣きなさいよ!
苦しいなら、辛いなら声上げて泣きやがれ!!
そん時はあたしが居るから!
…あたしは、あんたの親友だから…!!」


