すると、突然カイトが携帯を取り出して、あたしに向けた。
「…じゃ、写真、撮ろう」
唐突な提案に、あたしは一瞬ボケっとして、慌てて自分の携帯を取り出した。
カメラモードにしてから、カイトへと向ける。
「あ、ねぇ、二人で写ろう!ツーショット!」
「…いいよ。じゃ、バックは夜明けの空」
カイトが、伸ばした人差し指をあたしの後ろへと向けた。
その指先を追って見つけたのは、瑠璃色に光る、夜明けの広い空で。
「わぁ…綺麗…!いつも朝まで起きてたけど、こんな空、見たことなかったや…」
「よかったじゃん、見られて」
「だね!よし!じゃ、バックはこの空で決定!カイト、こっち来て来て!」
思い切り手招きをして、小さく笑いながら隣に並んだカイトと目を合わせる。
最初で、最後の、二人で写る写真。
「行くよ~…ハイ、チーズ!」
カシャッ
機械音が教室に響き、あたしはさっそく撮った写真を確認する。
バカみたいに笑ってるあたしと、たまに見せてくれるやわらかな微笑みを浮かべて写ってるカイト。
眺めていると、自然と笑みがこぼれてきた。
「…保護保護っと~♪あはは!これじゃカイトが超優しい人って記憶が残りそうっすね!!」
「それ、どういう意味?」
「や、嘘です。なんでもございません!」
…ホラ見ろ!
意地悪じゃないかぁ!!
…なんて思いながらも、この微笑みが、あたしに向けての“気持ち”なんだって、ちゃんとわかってたよ。


