でも、それが、今。
こうやって、カイトと笑える過去に変わっている。
じゃあ、カイトとさようならするこの瞬間も、
いつか、笑える時が来るのかな。
「こんなことがあったね」なんて、花梨と話しながら。
「懐かしいね」と、瑞希と笑いながら。
そしてあたしは、他の誰かを好きになって。
「こんなことがあったんだよ」って、笑って話せる日が……
……どうか、来ないで欲しいと願う。
なんとなく空が明るくなってきた頃。
あたしとカイトは、無人の学校前に佇んでいた。
門は閉まっているけれど、中に入ろうと思えば、まったく問題ない高さ。
「…学校って、誰も居ないと無駄に広く感じる」
「こんなにグラウンド広かったんすね…!!」
意外な事実に驚きつつ、カイトとアイコンタクトを取り。
「…入っちゃいます?」
「りょーかい」
カイトが口の端を持ち上げる。
考えていたことは、どうやら同じだったようだ。


