「…夜の遊園地って、不気味……」
「ホラー映画っぽいな」
「夜はすべてが恐怖になるってかww」
「もう朝だけどね」
まだ辺りは真っ暗だから、夜に変わりない。
中に入れないので、遊園地は柵の外から眺める形になってしまった。
「中、入りたかったにゃ~…」
「入る?」
「んにゃ?」
「この柵、越えらんねェかな」
「いやちょっとそれはマズイっていうか警察沙汰っすよカイトさん!!!?」
「…じゃ、開くまで待っとく?」
「……ううん。時間ないよ。次、行こう」
何もしないで居ることが、今のあたしにはできそうにない。
その気持ちを、カイトはわかってくれたのか、「うん」と一言だけ言って、遊園地に背を向けた。
「…双子が来た時は、ホント死ぬかと思ったよねぇ?」
「……まぁね」
「いろいろとビックリな展開になったよね!」
「たしかに」
「カイトさんはどっか行っちゃうし~」
「千早は眼鏡野郎に好かれるし」
「…かっカイトだってロリ萌えに好かれたし!」
「何それ、ヤキモチ?」
「カイトだって!!」
ぬぅ~と睨み合ってから、バカバカしくなって来て、二人して笑った。
どんなに嫌な過去でも、時間が経てば、それは笑える過去になる。
「あんなこともあったね」と、笑える日が来るんだ。
双子のおかげで、こうやってカイトと手を繋げる関係になったけれど、でも、それに至るまでには、泣いたこともあった。


