嗚呼…ダメだ。
あたしって、最低。
「あー誰も居ないからおみくじ引いて行こう!」
あたしは慌てて、元気なフリをして声を上げる。
カイトは、きっと気づいているけれど。
「…それ、いいね」
何も言わずに、頷いてくれた。
百円玉を箱の隣に置いて、おみくじを引く。
カイトが引いたのを見てから、あたしはにんまりと笑う。
「ではでは、同時に開けようジャマイカ!」
「はいよ」
「じゃあ…せーの!」
ガサッと同時に開いたおみくじ。
一番上に書かれているのは…。
「大吉キタ――(゚∀゚)――ッッ!!!!」
「あ、俺も大吉」
「え゛っ!?何それ面白くない!ここはやっぱ大凶でしょ!?」
「知るかよ。居るかわかんねェけど神様に聞いて」
カイトはそう言って、おみくじをたたむ。
“居るかわかんねェけど”
カイトのさり気ないその一言に、どんな意味が込められているのか、あたしは知ってる。
…ホント、神様、居るなら酷いよ。
こんな運命、酷過ぎ。


