うん。
大好きだ。
その気持ちを、告白した。
――刹那。
「はーい!ゲームオーバーでーす♪」
真上から、そんな声が降ってきた。
…ゲーム…オーバー……?
それを頭の中で反芻させたあたしは、愕然として顔を上げた。
見上げた電柱の上に、人影。
金色の長髪。赤いスーツの上に、長い同色のコートを羽織り。
赤いシルクハットにスティックを持った、おかしな格好をした男性が、そこに存在していた。
彼は電柱を蹴って身軽に地上へ、あたしたちの目の前へと降りてくる。
顔を上げ、あたしたちを見つめる彼は、ニコリと笑い、うやうやしく頭を下げるとこう言った。
「申し遅れました。私の名前は、アルファ。お目にかかるのは初めてですね、千早さん?」
…――カイトと、ずっと一緒に居られると思っていた。
ずっとずっと。
例え、“本気で恋をしてはダメ”だとしても――…。