小町さんからあたしと似たような雰囲気を感じ取ったのか、花梨は苦笑を漏らしながら言う。
けれど小町さんは気にする様子もなく。
「ウチのお店は、喫茶店だよ♪カイトくんにバイトで手伝ってもらってるの!」
「あ~…例の一ノ瀬のバイト先か……ってお前バイト先までカッコいいなコノヤローッッ!!!!」
「知るか」
またも悔しがる瑞希と、そのあしらい方を覚えてきているカイト。
そんな2人を眺めて、愉快そうに笑う小町さん。
「そこの少年、面白いキャラしてるね!なんて名前?」
「あ、東野瑞希っす!」
「瑞希くんかー!……うん。なかなかイケメンじゃないか少年…どう?ウチでバイトしちゃわな~い?」
「なんかホスト雇ってるみたいに聞こえますよお姉様」
「あら、そう?私ったら意外と面喰いだったのかしら~♪」
“イケメン”と言われて嬉し泣きしている瑞希は置いといて。
最近、小町さんの意外な素性を知ってきているあたしたちは、改めて小町さんに聞いてみることにする。
「…えーっと、それで。ホントにいいんですか?お店、貸していただいても…」
あたしたち以外にはとても礼儀正しい猫っかぶり代表花梨様(大爆笑/酸欠)がそう聞くと、小町さんは「もち!」と頷いた。
「っていうかね?ウチのお店、今年始めたばっかでしょう?ちょっとイベントとかやりたくてね?
クリスマスパーティを計画してて、それが夕方までなのね。閉店時間の。
それの後になるんだけど、みんなでそれを手伝ってくれたら、ぜひお店を貸しちゃうって条件!
どう?悪くないと思わないことー?」
ウインクする小町さんに、あたしたちは瞬時に返事した。
「やらせていただきますッッ!!!!」


