「迷惑だーなんて思ったことないしー。
…まぁ、また今度、なんかあったら呼びなさいよ。
花梨様が助けてあげるわよん」

「ちーちゃん…俺感動した!!泣いていい!?っていうか泣きそう!!
…ホント、ちーちゃんが元気になってくれてよかった!」


二人の言葉に、あたしは自然と笑顔がこぼれる。


とても温かな場所。

そして。


「よかったじゃなーい、一ノ瀬くん。
親公認で同居なんて、滅多にありえないわよ、この歳で」

「ホントだよ一ノ瀬!お前なんかもういろいろと羨ましすぎるんだよコノヤロー!!」

「……あっそ」

「テメェ人をバカにしたように笑いやがって俺泣くぞ!!」


泣きマネをする瑞希を笑いながら、カイトがこちらへやってくる。

あたしはカイトを見つめ、頬を緩める。

カイトもあたしを見て、微かに笑った。


「あーよしよし。瑞希、男が泣くのは一番大事な時だけよ。
簡単に泣くヤツ、あたしは気に入らないわね」

「すんませんっしたぁッッ!!」


花梨の素っ気ない言葉に、瑞希が勢いよく頭を下げる。


……おや?

おやおやおやおや~?


なんだい2人とも……

…結構いい感じなんじゃないかにゃ~?(ニヤニヤ)


なんて思っていると。



「はーい毎度毎度、同じこと言わせるなー。

授業始まってるんだが…お前等はどーも私にシメられたいらしいな」


真中先生のニッコリ顔での恐ろしい言葉に、あたしたちは飛び上がる。


いつもの風景。

いつもの日常。


こんな幸せなことってない。