そう、面白可笑しく考えながら、けれど心の奥深くでは、とてつもなく幸せな気持ちが満ちていた。
乗り越えた。
“過去”を。
そして一歩進めた。
家族が出来て、みんな心から笑えて。
とても温かな空間。
もうすぐ来る冬は、きっと、もう、寒くない。
「……へぇ~…よかったじゃないの。全てが丸くおさまって。
案外、あの如月葵もいいヤツだったのね」
「いや、ホントよかった!ちーちゃん、おめでとう!!俺チョー嬉しい!!」
久しぶりに来た学校で、花梨と瑞希に全てを報告したら、そんな言葉が帰って来た。
あたしはそれに笑い、そして頭を下げる。
「2人とも、ホントにありがとう…!迷惑かけてごめんなさい!
…あたし、もう大丈夫だから!」
言って、顔を上げると、二人とも、優しい笑顔を浮かべていた。