あたしは久しぶりにお母さんと笑い合ったような気がした。
こんなに楽しかったんだ。
ずっと、忘れてたよ。
“家族と笑い合う”楽しさ。
「……ごめんなさいね…本当に。
お母さんなんにも相談しなくて、勝手に決めちゃって…。
千早ちゃんの言葉で、目が覚めた気がしたの。
確かに、お母さんはいつも仕事ばかりだったね。
千早ちゃんのこと、なんにも考えてなかったね。
考えてるつもりで…なんにも考えてなかったのね…。
だから、お母さん、今度仕事を辞めようかと思うの。
ちゃんと千早と向き合えるように。
…今まで、本当にごめんね」
お母さんが、涙を堪えながら話してくれる。
あたしは、首を横に振って、否定を示した。
「全然、いいよ。
確かに寂しかったけど…でも、お母さんはあたしのために仕事をしてて…
…あたしが自分のことしか見えてなかったから。
あたしの方こそ、ごめんなさい。
……再婚、いいと思うよ。
あたし、大賛成だから」
きちんと、お母さんの目を見て言う。
お母さんは優しい笑みを浮かべて、「ありがとう」と嬉しそうに言った。
それから、お母さんはあたしの隣、カイトへと視線をよこす。
「……あなたが、ずっと、千早と一緒に居てくれた人ね。
……ありがとうね、千早を支えてくれて」
深々と頭を下げられて、カイトは戸惑いがちに頭を下げる。


