家に戻ったお母さんは、葵の姿を見て驚いていた。
「…あ、葵くん……その顔…どうしたの…?」
葵は氷を頬に当てたまま笑う。
とっても愉快そうに。
「ああ、なんでもないさ。心配いらないよ。
それより、チィとそこの彼に、いろいろ話さなきゃいけないだろう?
僕のことはいいから、早めに頼むよ」
葵の言葉に、お母さんは戸惑いながらも、あたしとカイトをテーブルにつかせて、向かい側に、お母さんとお父さんが並んで座った。
どちらも黙り込み、しばらく沈黙が続く。
……これじゃ、埒が明かない…。
あたしは意を決し、深呼吸して、そして――…
「「ごめんなさいッッ!!」」
…――お母さんとあたしの声が、綺麗に重なった。
同時に下げた頭を、また同時に上げて、顔を見合せて、
「「え?」」
と、再びハモった。
あまりにも気が合いすぎて、お互い笑い始めてしまった。


