しばらくずっとそうしていて、どちらからともなく静かに離れた。
そして顔を見合せて、微かに笑う。
なんだか、一つ何かを乗り越えた後のこの感覚は、とても不思議だ。
言葉じゃ言い表せないような感覚。
晴れ晴れ…?
スッキリ…?
どれも違う。
もっと他の何か。
だけど、言い表せないなら、それが答えなんだろう。
それがすべてだ。
そしてもう一つ、あたしはやらなきゃいけないことがある。
それは――…
「……千早ちゃん…?」
…――あたしを呼ぶ、お母さんの声。
そう。
お母さんたちのこと。
振り向くと、そこには、お母さんと、久しぶりに見る、“お父さん”の姿があった。
「……おかあさ…」
「千早……ッッ!!」
あたしの言葉を遮って、お母さんはあたしを強く抱き締めた。
「心配したのよ」と、お母さんは泣きながら言った。
「ごめんなさい」と、あたしは泣くのを堪えて謝った。


