口に手を当てて含み笑いを漏らすと、花梨が腕組みして睨んできた。

わかる…わかっているのだよ花梨さん。


「んもぉ〜花梨てばツンデレなんだから…」

「うっさいわね!!」

「そのツインテールがまた萌え要素…」

「貴様ちょっと黙れ。」


うきゃー花梨からドス黒いオーラが!!

あたしは首を竦めて身を引いた。

花梨はため息を吐いてから、あたしの机に頬杖をつく。


「で?寝不足理由とやらはなんなのかしら?」

「そうなのだよ!!それがっ……」


…ってしまったぁあッッ!!!!

これ口外ダメなんだったぁあッッ!!!!

ましてや昨日の夜同じ部屋でカイトと眠ったとか言えねぇっすッッ!!!!

さすがにベッドで一緒には眠らなかったけどいやしかし緊張して眠れなくて寝不足なんだよとか言えねぇっす先輩ッッ!!!!(仕様)


喋らなくなったあたしに、花梨の怪訝な視線が突き刺さる。


「千早?何黙ってんのよ?」

「あー…いやー…昨日はですねーちょっと宿題に手間取りましてですねー」

「ち は や ?」


ガシッと両肩を掴まれる。

花梨さん、顔が怖いっす。


「なっなんすか?」

「嘘つくなら、もっとましな嘘を考えようか」