ガタブル震えているあたしを見つめ、花梨は一度鼻息を荒く吐き出すと。
「あたし今チョー不機嫌なの。わかる?」
突然そんなことを口にした。
コクコクと頷くあたし。
わからないわけがない!
すると花梨はいきなり身を乗り出し、あたしの鼻をギュッとつまんだ。
「ふがっ!?(汗)」
「なんであんたはいつもそうなのよ。」
花梨の顔が、悲しそうに歪む。
「なんであんたは…
…いつも1人で頑張ろうとするのよ…」
花梨の手から力が抜け、テーブルに脱力した。
あたしは目を見開き、花梨を見つめた。
「…花梨…」
「ふざけんじゃないわよ…」
グッと顔を上げた花梨は、あたしの肩を掴んで揺らす。
「離婚のことも葵のこともっ今回だって…どうして言ってくれないのよッッ!!!!
どうしていつも1人で抱え込もうとすんのよ!!!?
あたしが頼りないから!?
信用できないから!?
あたしより、マンガやゲームの方が信じられる…!?」
花梨は、下唇を噛んで項垂れる。
今にも零れそうな涙を、こらえるように。
いつか、カイトが悩みを抱え込もうとするのを“やめて”と言った気がする。


