カイトは、あたしの流す雫を指で飛ばして、得意の上目遣いで口の端を上げた。






「あんた俺のこと落とせんの?」







どこまでも上から目線だな、コイツ。


…なんて。

あたしは、頬に触れているカイトの大きな手を、両手で握った。

そして笑う。


「まかせてくれたまえ!もうフラグは立っているのだ!!」


だから、バッドエンドなんて許さない。


絶対死ぬ気で攻略してやる。


ゲーマーとして!


1人の女子として!!














「…っつか、千早」

「にゃに!?」

「そろそろ出ようか、噴水」

「ハッ!!」


そう言えばあたしずぶ濡れだった!!


…オワッタ…。


何が1人の女子としてーだ!!

もうこの時点で終わってるってんですけど!!


「どうやって帰ればいいんだよぉおッッ!!!!」

「野宿でもする?」




「カイトのバカぁ―――ッッ!!!!」




そんなあたしの痛ーい嘆きは、藍色の空に弾けて消えた。



……やっぱ、使わせて下さい。








嗚呼……orz!!!!