「ふぅん」と曖昧に頷いたカイトは、しばらく悩むみたいに首を傾ける。
そして結論。
「…どれでもいい」
「ちょっｗｗせっかくアドバイスしたのにそれってｗｗ」
「携帯って、どれも同じでしょ」
「まあ…ねぇ？基本同じだけど、こだわりたくないっすか…？」
「別に」
「…とてもキミらしいよ…」
あたしは薄く笑ってから、ポケットから自分の携帯を取り出して見せる。
「あたしの携帯、一個古い機種だけど、機能重視だから結構使えるよー。
これ、確か新しいの出てたから、それにすればいんじゃないっすか？」
「へぇ…。じゃ、それでいいや」
「ハイ決定！んでは、契約の受付に行きまSHOW!!」
って、あたしは携帯会社の社員かｗｗ
「使い方わかる？」
「わかる」
「え、何故!?」
「基本知識で入ってるから」
「…へ、へぇ…そうなんすか…じゃ、パソコンとかも基本知識として…？」
「たぶんね」
「キミ、困ることなさそうだね」
「基本知識だけ、ね」
カイトはホント普通に携帯を操作しながら答える。
いろいろ設定があるから面倒くさそうだ。
やっぱりって感じだけど、携帯の色は黒。
家への道を歩きながら、カイトは携帯の画面にため息を吐く。
