…なっ…




……なんだってぇえええ――ッッ!!!?





「何故にそれを早く言わないんだい!?っていうか、茉莉さんも何も言わなかったんだが!!」


お箸をテーブルに叩きつけて身を乗り出したあたしに、カイトはしれっと。


「俺、断ったし」

「…あー……」

「で、“ごめん”って言ったら、茉莉、“ちー姉ちゃんのこと好きなんでしょ”ってさ」

「えっあの萌え萌えキューンのロリキャラさんってば意外に鋭かったのかぁ!!」

「…………。(蔑(さげす)む目)」

「……すっすんません…以後気をつけます…(卓上土下座/つーか降りろ)」


普段通りのあたしに呆れたのかなんなのか、たぶんまあ呆れたんだろうと思われるカイトは、深いため息をつき。


「茉莉、アイツ強いよ。俺が断った後も、千早のこと伝えに来てくれたりとかしてたし。

……俺なんか、好きになんなきゃよかったのにな…」


カイトが頬杖をつき、テーブルの上へと視線を落とす。

あたしは身を乗り出した格好で、カイトの手を握りしめる。


「…そうやって、自分責めるのやめてよ!!

茉莉は、きっと後悔してないと思う!!
なんかあたしが言うと嘘っぽく聞こえるけど絶対してない!!」


『ちー姉ちゃんは、幸せ者だね!!』


今日、別れ際、茉莉が輝く満面の笑みでそう言った。

そう言ってくれた。