疑問を浮かべるあたしに、けれど小町さんはニッコリと笑い。
「いつ来るかなぁって待ってたの!千早ちゃんなら、絶対来ると思ったんだからっ!」
なんのハナシですか…?
“?”を頭上に浮遊させているあたしの腕を掴んだ小町さんは、「こっちこっち」と店の奥に引っ張っていく。
「えっちょっ小町さん…」
「しーっ」
店の奥の…たぶん休憩室か何かだと思われる扉の前で(ここも店内と同じデザイン)、立ち止まった小町さんは、
人差し指を伸ばして口元に持って行って、ウインクする。
え、え、なんすか?
姉御キャラきちゃった感じですか?(出てけ)
あたしは掴まれていない方の手で口を押さえ、二度頷いて了解を示す。
それを見届けて、小町さんは扉の取っ手をゆっくりと回して、開けた。
入るように促されてゆっくりと足を踏み入れたそこに、
眠っているカイトの姿を見つけた。
「…………ッッ!!!?」
自分で口を押さえて居てよかったと思った。
じゃなきゃ、大発狂していたところだ。
なんで!?
なんでこんなとこでコイツ寝てんだ!?
っていうかなんで寝てんだ!?
ここバイト先だろう!?


