…――友達から始めようって言ってんの!!」
やっと、合った視線。
花梨は泣き腫らした目で、あたしの瞳をしかり捉えてくれていた。
あたしは喉の奥から込み上げてくる熱いものを、何度も飲み下しながら、何度も頷いて見せた。
「うん!!なる!!友達なる!!でも花梨!!それなんか告白して振られた人みたいだよ!!」
「うっさいわね!!あんたは黙ってうなずいてりゃいいのよわかった!!!?」
「何様!?」
「花梨様。」
空いている方の手を腰に当てて、お得意の「ふふん」笑いを見せる。
あたしは笑いながら、花梨の手を握った。
友達って、“友達になろう”って言ってなるものじゃないけど。
でもきっと、今のあたしたちには必要な言葉だった。
高校に入学して、自然と仲良くなったあたしたちには、今、ここで必要なことだったんだ。
「…あのー。ちょっといいっすかー?」
「何よ瑞希。ネズミは引っ込んでなさいよ。今大事な場面なんだから」
「酷っ!!つかネズミって何!?あ、もしかしてミッキーから来てんの!?」
すっかりサッパリ存在を忘れていた瑞希が、痺れを切らしたのか歩み寄って来た。
あたしは花梨からソローッと離れ、瑞希の後ろに回って背中を押す。
衝撃で一歩前に踏み出した瑞希は、花梨と近距離になる。
「ちょっえっ!?なに!?ちーちゃんコレなんてイジメ!?」
「ミッキー、ファーイト♪今日は絶好のハッピー日和♪そんじゃ、あたしは帰りますわww」
「逃げんなコラッ!!」という瑞希の叫びを背中で受け止め、逃走をかますあたし。
さてさて、あの二人はどうなることやら……。


