うん、絶対そうなる…と諦め顔で笑いながら、駅へと向かう。

その間、ずっと無言の伊吹と、ずっとルンルンな茉莉。


…この二人、ホントに双子なのだろうか…。


ちょっと不安になってきた時、ふと茉莉が足を緩めた。

あたしはすぐに気付かなくて、数歩先で立ち止まり、振り向く。


「む?茉莉、どったの?」


あたしの声に、茉莉は目線をこちらに向けて、ハッとしたように歩きだした。


「いやいやなんでもないです隊長!早く行くべよ!」


冷や汗状態の茉莉に首を傾げ、何気なく茉莉がさっきまで視線を投げていた方向へと顔を向け。


え。


と、思った。





茉莉が見ていたものは、カイトのバイト先。




おかしい。

なんで茉莉が。

や、知らなくてたまたま見ていただけかもしれない。

でも、やっぱりおかしいのは、今までお店が並んでいたのにも関わらず、そちらの方にまったく興味を示さなかった…

なのに、今、あのカフェだけには見入っていたこと。


特定のお店を見ていたから、もしかして…なんて予想が浮かぶ。


だけど、今は聞きたくない気もした。

今は楽しく、買い物に行くことだけ考えたい。


あたしは気を取り直し、いつの間にか先を歩いていた双子の後を駆け足で追った。












茉莉はめちゃくちゃ優柔不断だった。

ビックリした。


「う~む…どうしよう…どうしたらいいの…ちー姉ちゃぁああん!!」

「はいよーどったのー茉莉さーん」

「これとこれ、どっちが似合うと思う!?」

「あーどっちも似合うよーうんとってもー」

「どっちかだよ!どっちがいいか聞いてるんですよぉお!!」

「じゃあねー右ー」

「わかった!左ね!!」


ちょっwwおまっww