それからカイトへと視線を持ち上げると、
カイトは人ごみに紛れた伊吹の後をジッと、まるで睨むように……。
「カイト…さん?」
少しだけ不安になってきたあたしが恐る恐る名前を呼ぶと、カイトはやっとこちらを見下ろした。
…ん?
……んん?
な…なんか……
…また不機嫌っぽくないですか…?
「かっカイトさん…!?ワタクシなにか粗相をいたしましたでございましょうか…!?」
おかしな日本語をガタガタと震える口で言えば、カイトは。
自分の洋服の裾を掴んでいるあたしの手を、突然掴んで、引き寄せた。
「うえ!?」
状況が読めないあたし。
なんか…なんか知んないけど……
……あたし抱き寄せられてますがなぁあ――ッッ!!!!
「かかかかカイトさん!!!?一体どうし…」
「……わかんね」
「はい!?」
「ごめん。やっぱ、こっちのがいい」
カイトはあたしを解放すると、あたしの手を握り締めた。
いきなりどうした!?
ってかなんなんですか!?(大混乱)
「あっ歩きにくかったっすか!?」
「…や、別に」
「じゃあ…」
「もう黙れよ」
「……うい…」


