つ…辛ぇ……。
選択肢めちゃくちゃ辛ぇ…。
機嫌損ねないようにすんのめちゃくちゃ体力使うのだよ…。
どうにかバッドエンドは免れなくては!
ウチは片親で、お母さんしか居ないし。
お金がヤバいんでね。
仕事で家に居ることの少ないお母さんに、まぁカイトの存在はバレることないと思うけどね。
…ってか、ホント今日休みでよかった…。
これで学校あるとかなったらあたし死んでた。
また真中先生にグーでパンチ喰らわせられるとこだった。
マンガをよろよろと片付けるあたしを、カイトがジッと見てくる。
…そんなに見られると穴開きますって。
「なっ何か用ですかい?」
「や、別に」
「そっすか…ってか、そう言えばカイトってなんで学ラン着てんの?」
カイトは一度自分の姿を見下ろしてから、そのまま上目遣いにあたしを見つめた。
「…気になる?」
「何故に上から目線!?」
「冗談」
小さく笑うカイト。
黒髪の隙間から覗くダークブルーが……
まさに2次元キタ――ッッ!!!!(果てしない腐れ)
「これ、わかんないけど、たぶん千早の学校の制服だよ」
「……はっ!!!?」


