『でもなんで本なんか…』
首を傾げている笹村……となぜか慎司。
「いや、俺のお節介というか、俺の単なる自己満足というか…友だちとして何か出来ることはねぇかなと思って…」
…というのは表面上。
本当はただ俺が彼女に近づきたかっただけ。
彼女の家族が手話をしているから、じゃあ俺もしてみようと思って手話の本を買った。
ただ彼女の世界に、彼女の心に入りたかっただけなんだ。
『盛山くんって優しいですね。』
そう書いて、笹村はふわっと微笑んだ。
「そんなことねぇよ。」
俺のこれからの目標。
手話を覚えて、
彼女と手話で沢山話して、
彼女を心から笑顔にする。

