俺もつられて微笑む。


そして、


『屋上行こ?』

と、俺は声を出さず口だけ動かした。



笹村はパァっと顔を輝かせ、嬉しそうに首を縦にふる。


俺は立ち上がって、彼女と屋上へ向かった。





***





____……ギギィ…フワッ…



屋上のドアを開けると、暖かい風が俺の頬をかすめる。



普段は賑やかな屋上も、今日は少し静かだ。


ここ、桐谷(キリタニ)高校は屋上の出入りが自由だからよく慎司とも来る。



俺たちはフェンスの近くへ行き腰を落とした。