手話~僕等のカタチ~




皆優しくて、中には元高校の教師だった人もいて、たまに勉強を教えてもらってる。



この人たちの本当の家族はもっと幸せなんだろうな。

ここへ来るたび、いつも思う。



そんな彼らに自分も出会えたことが、奇跡のようにすら感じる。


この出会いは運命だったのかもしれないし、必然だったのかもしれない。


だがどちらにせよ、今在る時間が幸せなのに変わりはないのだ。




笹村が辛い過去を乗り越えられたのもこの人たちのおかげだろう。


だって今彼女はすごい笑顔になってる。


俺に向けるのとは、ちょっと違う笑顔…



なんか少し寂しくなった。


俺はまだ彼女の知らないこと、知らない表情、沢山ある。



手をいくら伸ばしたって届かないほど。