彼女の手の中にあるものは、ゆるふわクマさんのパスケース。 そのクマを引っ張るとびょーんとヒモが伸びて、手を離すとパシッと戻るタイプの物。 使い方を間違えると少し痛い。 笹村の身の回りの物を見てたら、リュックに付いてるパスケースだけクマじゃなかった。 しかも少しボロかったし…。 電車通学の彼女にとって、パスケースはこの先も使うだろうと思ったからそれにしたのだ。 喜んでもらえて良かった。 【今日からこれ使おっ♪】 【おっ、マジで。】 大きく頷く笹村。 俺はそんな彼女に微笑んだ。