【い、いや…】 でももう笹村の耳は聞こえない筈じゃ… 偶然かもしれない。 まぁとりあえず聞いてみるか。 【さっきなんで振り返ったんだ?】 そんなこと聞かれると思っていなかったようで、彼女はキョトンとした顔をしている。 【あーあれは、そのー…なんとなく…】 段々と手の動きが小さくなる。 なんとなく……? 【な、なんとなく………盛山くんがいるような気がしたから…】 「えっ…」 彼女の顔がほんのり赤いのは気のせいだろうか。 思わずドキッとする。