手話~僕等のカタチ~




【もう私お腹いっぱい、持って帰ろ。】

【半分しか食ってねぇじゃん!】


胃袋どうなってんだ…?



【多分普通の人の半分しかないかも(笑)】

【いやそれ笑い事じゃないだろ。】



最近笹村の超能力並の心を読まれるのには慣れてきた。


慣れって怖いわー(笑)



【…ねぇ盛山くん?】

【ん?】


何気なく返事をした。



【今日はありがとう。

誘われたとき、とっても嬉しかった。

私ね、盛山くんと出会ってから、お母さんたちに明るくなったねってよく言われるんだ。

盛山くんや福岡くんといると、私毎日すごく楽しいの。

耳が聞こえないことなんてどうでもよくなっちゃうぐらい。

盛山くんたちと一緒にいれるだけで幸せなんだ。

今日だってね、夏祭りに行くことをお母さんに話したら、自分のことのように喜んでくれて浴衣まで買ってきちゃったんだよ?

お母さんがあんなに笑ったのなんて久しぶりに見た。

全部盛山くんが変えてくれたんだよ?

私が明るくなったのも、
毎日楽しいのも、
幸せを感じるのも、
お母さんが笑ってくれたのも、
盛山くんが私と友だちになってくれたから。

ありがとうじゃ伝え切れないくらい感謝してます。

私、盛山くんと『友だち』になれてよかった。】



そして彼女は、今までで一番美しい、心からの最高の笑みを俺に向けてくれたのだった。