あっぷるぱい 〜甘酸っぱい恋の味〜



結局、あたしたちは海に行くことはできなかった。



ていうか、よく分からない道をずーっとうろうろしていた。



それでも、あたしは楽しかった。




家に帰った時はもう真っ暗で



「お姉ちゃん。おつかれー。やっぱ高校になると遅いねー。」




なんて妹のかれんが言ったから、ちょっと悪いなって思う。







次の日、あたしは無事に早起きできた。





髪の毛をセットして制服を着る。





お弁当をバックに入れて、ちょっと早めに家を出た。





「あ。道どっちだっけ・・・。」




まあ、そうなると思ってたけど・・・・。





「だれかいないかな・・・・。」




キョロキョロして辺りを見回してみる。




桜の木の下で小学生が花びらを取ろうとして手をのばしている。



かわいいな~。




って、え!? 



あたしと同じ制服着ている。



そして、一生懸命桜の花びらを取ろうとしている。






「あと一枚っ!」





花びらをめがけてジャンプする女の子。




「やった!!」





手を握りしめて、着地・・・・失敗!?




「大丈夫??」





顔から倒れたその子に駆け寄る。





「え?」





起きあがったその子の顔には何か所も切り傷がある。






「血、出てるよ?」




「あ、うん。 ありがと。」



「これ、使って。」






あたしはタオルを差し出した。





昨日、あんな事があったから、タオルを持ってこようって決めたし。





「うん!!」




女の子はゴシゴシ顔を拭く。






「あーあ。ちょっと待ってよ。」




あたしはそういって、リバテープを出して女の子の顔に貼る。