空side
「行くぞ。」
そういって走りだした海の背中はとても大きくて、びっくりした。
ホントはね、とってもうれしかったんだ。
ずーっと会いたかった海に会えて。
ずっーと聞きたかった声が聞けて。
なのに・・・あんなことになるなんて。
顔を上げると目の前は壁だった。
そういえば、海ってものすごい方向音痴じゃなかったっけ?
そして・・・気付いたら喧嘩してて、海が鼻血だしてた。
必死で探すけどティッシュなんて見当たらない。
色々なもので止めようとしたけど、鼻血はエンドレスで流れてくる。
あーもう。あたしのばか。
久しぶりに会えたのに。
手、ずっとつないでおきたかったよ。
あたしの・・・・・ばか。
涙がでた。
バカな自分が本当に悔しかった。
「そら・・・・・。」
海の声が聞こえる。顔を上げると・・・
「そら・・・・! どーしたんだよっ!」
驚いた顔で聞く。
「しゃべんなくてい・・「もう止まったし!」
あたしの声を遮って海はいう。そして、タオルを取る。
あーもう。あたしはいっつも海を困らせてしまう。
ホント、最悪。海の顔が見れないよ。
「だいじょうぶか??」
海の心配そうな声を聞いて、あげたくない顔を上げてしまった。
「あっはは。何その顔。」
鼻に二本のシャープペン。
気付いて抜いて、叫んでいる。
そんな海も可愛くて。
あー。重症だなー。って思うあたしでした。
