あっぷるぱい 〜甘酸っぱい恋の味〜




「あー!これからどうすんのよ。もうすぐ入学式終わっちゃう。海のせいで・・・・。」



「は? なんだよそれ。お前が道忘れんのがいけねぇんだろ?」



「どの口がそんな事いえんの?」



「この口だよ。」



「なにそれ。海のばか。」



「ばかはおまえだろ?ばか。」



「ばかっていう方がばかだし。ばかーーーーー。」



「お前、今ばかっていったぜ? わー、ばかだ。ここにばかがいまーーーすっ!!」



「ちょ、そんな声で叫ぶなっつーの。」



空が俺の頭をはたく。


その勢いで俺は顔から倒れてしまう。




「ってーーー。」


「あ、ごめん。やりすぎた。」


「・・・・・・・。」





「ちょっと、何黙ってんの。どうかした??」




空が俺の肩をつかみ、自分の方に向ける。






ドボ・・ドボ・・・ドバーーーー。






「え、ちょっ、大丈夫??」



俺の鼻から・・・赤い血が・・・・。




「あーもう。ティッシュどこだっけー。」




空が荷物をまきちらしながら、叫ぶ。






「ちょっとの辛抱よ。」







そういって空が押しあてたのは・・






「れ、レシーートかよっ!!」



「あーもう。何で止まんないのよ。」




空は俺の鼻にありったけのレシートを詰め込んだ。




それでもまだ止まらない鼻血。





「おいしょっと。」




次にとりだしたのは・・・シャープペン??




「おい・・・・!はやまるな! おい! うわー。」




真っ赤になったシャープペンを鼻に突っ込んでるなんて・・・。





「くそ・・・。空。 覚えておけよ。 って、うえっ。」



俺の言葉をまた遮って、空はタオルを押しあてた。





「もう、しゃべんなくていいから。」




「・・・おい。」




空は下を向いている。




「そら。」




俺が呼ぶと、空は顔をあげた。



・・・泣いてる??




「そら・・・どーしたんだよっ!」



「しゃべんなくていい・・・」



「もう止まったし!」




真っ赤な血に染まったタオルを外す。



「だいじょうぶか?」



また、俯いた空は顔をあげる。





「・・・・っ。あはは。何その顔―っ」




俺はあわてて顔を触る。



そういえば、鼻に違和感が・・・・。





俺の鼻から出てきた二本のシャープペンは真っ赤に染まっている。



もちろん、入りきれなかった部分も。




「あはははーーー!! っ、くる、くるしーーー!」









そんなこんなでオレと空は再会した。そしてここから物語が始まる事になる。