「あの、さ。」
海が頭をくしゃくしゃしながら言いにくそうに口を開いた。
「なに…?」
やけに胸の音が聞こえる。
優があたしの右手をそっと握ってくれた。
「あの、おれ…」
風があたしたちと海の間をとおりぬけた。
「植野のことが好き…なんだ。」
時が止まる。
優の手があったかくてなんだか泣ける。
「そっか。…じゃ、じゃあ、あたしたち応援するよ!!」
「えっ?」
優が心配そうにあたしの顔をのぞきこむ。
「まじで!!?さんきゅ!おまえまじいい友達だわぁ」
海のうれしそうな声。
「海、いまなら陽夏と一緒にかえれるんじゃん?」
無理やり絞り出した声。
「いってきなよ。」
「おう!そら、大廣。まじさんきゅな!!じゃ。」
陽夏を呼びに体育館に戻る海の背中が見えなくなる。
あたしの
失恋記念日だ。
ねぇ。
何でこんなに好きなのに、気づいてくれないの?
神様はいじわるだね。
こんなに
あいつのことが大好きなのに。
