「そしたら、またお前のプレーが見れるのか。やったーー。」
空を笑顔にしたくて、とっさにでた言葉。
これがまた空の顔が固まる原因になった。
今までの流れがよく分からない俺は、しんとなる空気に分からない事だらけ。
「お前・・・・。」
すると、あの怖そうな先輩がボールを持って空に近づく。
何をさせる気なんだ・・・・??
「こっから打ってみろ。」
その先輩は空にボールを渡し、リングを指差す。
「え・・・。」
言われた空は、顔を歪めながら先輩を見つめる。
空が立っている場所はリングから何メートルもあって、三年の先輩たちでも入れるのは難しい距離。
「ムリ・・・です。」
先輩を見ながら、空は呟く。
「成功したら、終わりにしてやるよ?」
「え??」
「腕立て。」
ニヤっと笑う先輩を見て、なんとなく話の流れをつかんだ。
「陽夏・・・・。」
空は、懸命に腕立てをしている女を見る。
自分をとるか。友人をとるか。
・・・そんなの、空だったら決まっている。
「がんばれがんばれそーら。」
しんとした体育館の中、俺の声はよく響いた。
「かい・・・。」
涙目になりながら空は俺を見る。
