「おー。大樹先輩じゃないっすか。」
能天気な声が体育館に響く。
いっせいに振り向く女の子たち。
あたしもふりかえる。
「か...い??」
思わす声がもれる。
そんな周りにもかかわらず、ひなは腕立てしつづけている。
「おー。海かー。久しぶりだなー。」
あたし達から少し離れて立っていた先輩は海のほうに振り向いた。
「あっ...」
優が息をのむ。
振り向いた先輩は、優が一目惚れしたあの先輩だった。
「元気でしたかー??」
海達は、話を続ける。
周りはまたざわめきだす。
「ねぇ、あの人かっこよくない??」
「ほんとだー」
「あたし右の人がいいなー」
それでも、ひなは腕立てしている。
海はやっとあたしたちに気づいた。
「おー。空じゃん。お前も男バス希望か??なんつって」
海の声でまた女の子たちが口々に話出す。
「あの人たちカップルかな??」
「うそー。ムリでしょ。あの2人。」
やっぱりそうだよね。
あたしと海じゃ不釣合い。
ほんとあたしたちは、かけ離れてる存在なんだ。
月と…太陽ぐらい、遠く。遠く。離れている。
あたしのネガティブな考えがとまったのは次の瞬間だった。
陽夏の前に座り込んでいた先輩はいきなり立ち上がって海の方を向く。
「そうだ。コイツら入部希望だ。」
そう言って、あたしたちを前に引っ張り出す。
「まじかよ…。」
目が点になる海。
「そしたら、またお前のプレー見れるのか。やったー。」
そう言って、ニヤニヤ笑う海にあきれてしまう。
「お前…。」
こおりの目の先輩が近づいてくる。
「こっから打ってみろ。」
そう言って、ボールを差し出して、ゴールを指差した。
「え…。」
