「やめてよー。」
「なにすんのー。」
なんとかギャラリーを抜けて、最前列に来たあたし達。
かなり目立っている。
「あのっ!!」
陽夏がバスケをしている先輩に向けて声をかける。
周りが音を無くす。
「「陽夏??」」
あたしと優は顔を見合わせる。
陽夏が何をするつもりなのか、サッパリだ。
「男子バスケ部に・・・・」
周りの女の子も先輩たちも口をとじて、、、いや、ちがう。口をあけてポカンとした顔であたしたちを見ている。
「入部しますっ!!」
そう言い切ってガバっと頭を下げる。
「えーーーーーーー!!!!!!!」
音を取り戻した周りは、一気にざわめき立つ。
「そんなことできるのー??」
「いいなー。」
「本当に入れるの??」
女の子たちがあたし達をジロジロ見ている。
陽夏は頭を上げる。
「本気か??」
目の前の先輩はからかう鼻で笑った。
でも、目は冷たい氷の様だ。
「本気・・・です。」
陽夏は先輩を見て、しっかりと答える。
「じゃあ、そこで腕立て百回してみろよ。 できたら、本気って認めてやるよ。」
先輩は体育館の床を指さす。
「え。ちょ、陽夏?? もう無理だよ。 帰ろ??ね??」
あたしは陽夏の手を引っ張っる。
「そーだよ。もう、帰ろ??」
優も反対の手を引っ張る。
女の子たちはクスクス笑いながら、陽夏を見る。
「分かりました。」
陽夏は床に手をついて腕立てを始める。
「陽夏?? もうやめよ。帰ろう??」
優が泣きそうな顔で陽夏に呼びかける
「へー。やるんだ。」
腕立てを指示した先輩は陽夏の前にしゃがみこんで陽夏を見ている。
目が氷の様でゾクっと寒気がする。
しばらくの間、体育館に沈黙が走る。
あたしはどうすることもできずに、ただただ見ていた。
