「松咲ーーーーー!!!」
教室に入った途端、ゴツい男の先生に怒鳴られた。
「は、はい。」
びっくりして、直立する。
「お前、昨日どうしたんだよーーー!」
またその先生は怒鳴る。
「え?昨日・・・?」
入学式だーー!あたし、行ってないんだ!
「空? 昨日どうかしたの?」
陽夏があたしを見て訊いて来る。
「昨日、学校来てないの。」
「あー・・・。 なるほどね。」
「ちょっと、安藤先生。それくらいにしてあげてください!! 怖がってるじゃないですか。」
ゴツい先生の後ろから女の人の声が聞こえた。
「っ・・・・明日からちゃんと来るんだぞ。」
ゴツい先生は悔しそうにどっかへ行ってしまった。
「もう。安藤先生ったら二日目なのに・・・。 空ちゃん、大丈夫??」
女の人があたしに訊く。
「あ・・・はい。 ありがとうございます。」
女の人に頭を下げる。
「ございます。」
あたしに釣られて、陽夏がも頭を下げる。
「ううん。いいのよ。あたしは担任の月子。 涼島月子(りょうしま つきこ)です。よろしくね。」
「はい。月子先生! よろしくおねがいします!」
優しく笑いかけてくれる月子先生。
怖くなさそうで、よかった。
「空っ! ここ、空の席!!」
陽夏がが机に座りながら、あたしに向かって叫ぶ。
「こらー!! 机に座るなーー!!(笑)」
こうしてあたしの高校生活は無事始まった。
