あっという間に時間は過ぎ
もう放課後になった

午後の授業は、あまり集中出来ず
ずっとボーッとしていた

何やってんだろ、俺…


「おーい、雄。大丈夫か?」

「…え?あ、うん。大丈夫大丈夫!」


ずっとボーッとしている俺を心配したのか
愛斗が声をかけてきた

相変わらず心配症だな、こいつは
まぁ、心配かける俺も悪いんだけど…


「…雄。お前、ふうちゃんに告白するのか?」

「……あぁ。するよ」


いつまでも逃げていてはダメだ
このままだと俺、絶対に後悔する

だから俺は決めたんだ
自分の気持ちを伝えようって


「そうか…。頑張れよ」

「おう、ありがとな!」


俺がそう言うと、愛斗は
ニコッと安心したように微笑んだ


「お前の気持ち…きっとふうちゃんに伝わるよ」

「おう!…伝えてみせるよ。俺の気持ちを」


ずっと胸の奥にしまいこんでいた
俺のこの気持ち…

楓夏の事が好きで…大好きで…
愛しいというこの気持ち…


この思いはずっと変わらない

可能性はまだあるかもしれない
もしかしたらがあるかもしれない


だから俺は、諦めない
この気持ちは誰にも譲らない、譲れない

竜になら…って思ったけど
やっぱり無理

誰にも渡したくない
楓夏に俺を好きになってほしい

俺以外の奴を好きになってほしくないから…


だから楓夏…
俺のこの気持ち…どうか受け止めてほしい

楓夏を好きな気持ちは
誰にも負けないから



俺は心の中でそう強く思った

そして俺は、教室を飛び出し
楓夏の元へと向かった