次の日、俺は楓夏の家へと向かっていた

昨日でいろいろ吹っ切れた俺は
楓夏との恋に別れを告げる準備をしていた


「…お?竜くん、おはよ!」

「……あぁ、おはよ」

竜は俺と目を合わせず
そう言った

昨日の事、まだ引きずってんのか?
俺は竜の正面に立ち、無理やり竜と目を合わせた

「…なぁ、お前まだ怒ってんの?」

「…はぁ?何がだよ」

明らかに竜はイラついている
こいつ…意外とめんどくせぇな…

「俺の事、別に信用しなくてもいい。でも俺は、お前の事本気で応援してるから。それだけは分かってほしい」

「……………」

「俺は楓夏の笑顔が見たいんだ。楓夏のためなら俺は何だってする。でも俺じゃ楓夏を笑顔にしてやれない。だから竜…お前が楓夏を笑顔にしてやってくれ」

「…え?俺が?」

「お前以外誰がいるんだよ」

竜なら楓夏を笑顔に出来る
お前にしか出来ない…

竜と一緒にいる時の楓夏の顔は
すげぇ楽しそうで…

いつも笑ってるから


「…分かったよ。俺が楓夏の笑顔を守ってやるよ」

「ははっ…さすが竜くん。頼りになるぜ」

「知るか」

そう素っ気なく言ったつもりだろうが
竜の顔は赤くなっていた

こいつ照れてやがる


そんな話をしていると
楓夏が家から出てきた

久しぶりに楓夏と会った気がする

「おはよう、2人とも」

「おはよ!楓夏!」

「…おはよ。相変わらず準備おせぇな」

「う、うるさいよ!」

少し照れくさそうに楓夏は言った
そういう所も可愛い

本当は今すぐにでも俺のものにしてぇけど
それは出来ないから

俺は楓夏にちゃんと告白して
フラれて、終わりにするんだ

この恋を…