その後、俺と愛斗は
しばらく話した後、教室に戻った


「あ、やっと帰ってきた!待ってたんだよ?」

「ごめんごめん。ちょっと話し込んじゃって」

「…雄?大丈夫?」

「…あぁ、大丈夫大丈夫!」


真琴は心配そうに
俺の顔をのぞきこんだ

さっきまで泣いていたため
赤くなった目を隠すように

俺は明るく笑顔を作った


「…そっか…ならよかった!」

「おう!」


愛斗は不安そうに俺を見ていた
それに対し、俺はニコッと笑ってみせた

それを見た愛斗も
ぎこちない笑顔を俺に向けた


これ以上心配かけるわけにはいかない
あとは、自分でなんとかしねぇと

俺は心の中でそう呟いた


フラれてもいい
それでも俺は、楓夏が好きだから

竜が告る前に…
竜に取られる前に…

俺は楓夏に自分の思いを伝えようと
そう決めた


この恋に終わりを告げるんだ
さよならするんだ

この思いから

楓夏のために、俺は楓夏を諦める
10年以上思い続けてきた初恋の相手に…

俺は別れを告げるんだ


最後の最後まで
俺は嘘をつき続ける

楓夏の幸せのために