失恋歌

学校に着き、俺は教室に向かった
そして、自分の席に座り顔を伏せた

その瞬間涙がこぼれた…
悲しくないはずなのに、なぜかどんどんあふれ出してくる涙…

「…っ!何でだよ…!」

何で泣いてんだよ、俺は
何が悲しくて俺は泣いてる?

自分でもよく分からなかった


「…あれ?雄寝てんのか?」

「何か教室に入ってきてからずっと伏せてるんだよね…」

すぐ隣から愛斗と真琴の話し声がした
でも俺は、こんな自分を見られたくなくて

顔を上げることが出来なかった


「…雄…何かあったか?起きてるんだろ?」

「………別に?何もねぇけど」

俺は平然を装って愛斗にそう言った
泣いてるってバレないように

「…そうか…ならいいんだけど…」

愛斗はまだ何か言いたそうだったが
それ以上何も言わなかった


「HR始めるぞ〜」

担任が入ってきたが
俺は机に伏せたまま、寝たふりを続けた

その間も俺の頭の中に浮かんでくるのは
楓夏の事だけで…

こんなに好きなのに…
ずっと思い続けてきたのに

俺は何をしてるんだろう


嘘をつき続けてる俺を見て
楓夏は何を思うのだろうか

もし、俺と竜が楓夏に告白したら…
楓夏はどっちを取る?

俺を取ってくれる?


そんな事考えたところで何も変わらない
考えるだけ無駄だ

でも考えてしまう


楓夏…俺はあとどれだけ
お前の隣で笑っていられるかな

楓夏の好きな俺でいられるには
どうすればいい?


そんな事を考えながら
俺は目を閉じた