しばらく歩くと学校の門が見え
その門を俺たちは通った

そして門を通り過ぎ
生徒玄関へと向かった

「はぁ…学校着いちゃったな…まためんどくさい1日が始まる…」

愛斗は肩を落としながら
上履きへ履き替え教室へと歩いて行った

「…俺たちも行くか」

「そうだね」

俺と楓夏も上履きへ履き替え
それぞれの教室へと向かった

教室に入ると、もう何人かクラスメイトが
席についていた

俺は窓際の一番後ろにある自分の席へ向かい
そして席についた

結構ここの席は気に入っている
授業中ずっと外を見ていられるから

眺めいいんだよな、ここ

「雄ー!おーはーよー!」

この声は…そしてこのテンション…
俺はいやいや声がした方を振り向くと

「やっぱりお前か…」

「何だよ、そんなに僕が嫌いか?!」

こいつは俺のクラスメイトの、大野真琴
女みたいな奴だが男である

「真琴くん、もう少し静かにしてもらえませんかね?」

「嫌だと言ったら?」

「ここから落とす」

「ひどっ!つか怖いわ!」

こいついい奴なんだけど
このテンションについていけねぇんだよな…

「あ、そーだ!雄、知ってる?」

「ん?何を?」

「何か、隣のクラスに転校生来るらしいよ」

こんな春先に転校生か…
随分変な時期に転校してきたもんだな

「何でまたこんな時期に?」

「何か、親の都合らしいよ」

「へぇ、まぁいいや。俺には関係ねぇし」

隣のクラスだし
俺と関わる事もないだろうしな

………待てよ?
隣のクラスって事は…

「楓夏のクラス?」

「…え?あ、うん!そうそう!楓夏ちゃんのクラス!」

マジかよ…よりによって楓夏のクラスかよ
すげぇイケメンだったら…惚れるかもしれねぇよな?

「…あー…終わった」

「え?何が?!大丈夫?雄?!生きてますかー!?」

「うるせぇな!生きてるよ!耳元でギャーギャー言うな!」

そんな事を話しているうちに
担任がやってきた

そして、ホームルームが始まった
今頃隣のクラスでは転校生紹介だろうか?

どんな奴が転校してきたんだろう
俺は少し気になりながら

窓の外を見ていた