失恋歌

俺が楓夏のために出来る事なんて
はっきり言ってあまりない

俺は弱いから
楓夏を支えてやれない

だから俺は強くなろうと思った
俺は、そう決めた

でも、結局何も出来なかった…
結局…楓夏の事…助けてやれなかった

俺は何て無力で弱虫なんだろうと
自分を嫌った


俺が強くなろうと思ったのは
楓夏に告白したいからじゃない

楓夏に振り向いてもらうためでもない
ただ…楓夏を助けたかった

小学校の頃、いじめにあっていた楓夏を
助けてやりたかった…ただそれだけ

でも俺は、何もしてやれなかった
楓夏へのいじめはどんどんひどくなっていき

ついに楓夏は学校に来なくなってしまった
俺は自分を責めた


俺が助けてやれば…
楓夏がこんな事になる事はなかったかもしれないのに…

俺は結局、楓夏より自分をとった
最低な男だ


俺はその罪滅ぼしからか
毎日楓夏の家に行った

そして何度も何度も謝った
許してもらえないかもしれない

でも…俺には謝る事しか出来なかった

楓夏は優しいから…俺を責めなかった
それどころか、俺を慰めてくれた

「雄くんのせいじゃない」

楓夏は俺が謝る度にそう言った
慰めなければならないのは俺の方なのに…

楓夏は優しく、そして強い
俺なんかより…ずっと


だから俺は、決めたんだ
楓夏のために強くなろうって

この身を犠牲にしてでも
楓夏を守りたい、守り抜くと

俺は自分に誓ったんだ


俺は強くなれたのだろうか
変われたのだろうか

少しでも楓夏のために何か出来ているのなら
俺は嬉しい

楓夏ためなら、俺は何でもする

例え俺がボロボロになったとしても
俺は楓夏を守り続ける