授業は開始早々
リレーの順番を決める事になった

もちろん俺はアンカー確定
向こうのチームも竜がアンカーに決まったらしい

「…はぁ…何で俺が…」

「頑張ってね!雄!応援してるから!」

第一走者の真琴が俺に向かってそう言った
こいつもこんな見た目だが運動神経抜群だ

こいつが第一走者なら
いけるかもしれねぇな

「…やれるだけやってみる」

「うん!その調子で頑張れ!」

「おう!」

勝てる気はしねぇが
全力は出せるだけ出してやる

「決まったかー?決まったら女子から始めるから順番に並んでくれー!」

リレーは女子かららしい
楓夏何走目なんだろ

あいつはあまり運動が得意な方ではない
でも、応援は全力でする

あ、見つけた
第五走者か…頑張れよ、楓夏!

そして、女子のリレーが始まった
リードしたのは俺たちのクラス

だがそのすぐ後、抜かされてしまった
そして、楓夏の番がやってきた

「楓夏ーー!!頑張れ!」

俺は楓夏に届くように
大声で叫んだ

楓夏は見事抜かされる事なく
バトンを繋いだ

「よく頑張ったな、楓夏」

「…雄…ありがと」

俺は自分のクラスの応援を忘れて
楓夏のクラスを応援していた

そして勝ったのは
楓夏のクラスだった

楓夏は友達とハイタッチをしたりと
喜んでいた

あの笑顔が見れれば
俺は頑張れる

竜に勝ってやる
そう強く思った

そして、男子のリレーが始まる…


はずだった


俺がふと楓夏の方を見ると
楓夏が倒れかけていて

「…楓夏っ!」

俺は急いで楓夏の元へと走った
そして、手を伸ばし楓夏を支えようとした

でも、遅かった

俺より早く、楓夏の元へたどり着いた奴がいたから…


「大丈夫か?ふう」


そう、その人物は

竜だった…