「そろそろ戻るか。時間も時間だし」

「…そうだな」

俺は複雑な心境のまま
相川と共に教室へと向かった


「…あっ!やっと帰ってきた」

「楓夏…」

楓夏は俺たちを探していたのか
少し息が上がっていた

「2人でどこ行ってたの?」

「ちょっくら、男同士で熱く語り合ってた」

「…いつの間にそんなに仲良くなったの?」

語り合うってか、話してただけだけどな
でも、楓夏はどこか嬉しそうで

「ついさっき」

「…よかった…2人が仲良くやってくれてて…私嬉しいよ!」

楓夏は明るく笑った
久しぶりに見た楓夏の笑顔に

俺の胸が高鳴った
やっぱり俺、楓夏の事が好きなんだな…

「おう!これからも仲良くやってこーぜ!りゅーうくん!」

「…何だお前…さっきと全然態度違うくね?」

「え?ナンノコトカナ?」

俺が目で威圧を送ると
それに圧倒されたのかそれ以上何も言わなかった

「まぁ、改めてよろしくな!竜」

「お、おう。よろしくな、雄」

それを見ていた楓夏は
すごく嬉しそうだった

これでよかったのかな、俺は

でも、楓夏の笑顔見れたし
俺はそれだけで満足だよ

楓夏のためなら
俺は何でもするよ

例えそれが…
自分自身を傷つける事になったとしても