相川が転校してきて
1週間がたった

もうずいぶんクラスにも馴染んだらしく
クラスの人気者らしい

そして、俺は最近楓夏といる時間が
かなり減った

朝はいつも通り一緒に来ているが
昼休みや帰りは別になってしまった

「はぁぁぁ…どうすればいいんだろ…」

「まーたため息ついて…どしたの?」

「愛斗くん、お前なら好きな女取られそうになったらどうする?」

「…うーん…嫌かな」

ですよね…俺だって嫌だよ
楓夏だけは誰にも譲りたくねぇ

でも…取られそうなんだよな
例のあいつに

「…どうすればいいんだか…」

「雄、何かあった?」

「べーつーにー。何もねぇよ」

愛斗は少し不安げな顔をしていたが
すぐいつもの笑顔に戻った

「何かあったらすぐ言えよ?いつでも相談に乗るからな?」

「おう、ありがとな」

こいつはいつも俺の事を気にかけてくれてて
だから俺は愛斗の事を信用してる

でも、楓夏の事だけはまだ言ってない
もしかしたら気づいているかもしれねぇけど

「そーいや、最近ふうちゃんと一緒にいる時間減ったよな?」

「…あぁ、減ったな」

やっぱり気づいてたか
明らかに減ったもんな

それにあまり楓夏の話もしなくなったし
好きなのに…届かねぇ…

「喧嘩でもしたか?」

「いーや、してねぇよ?ただ最近、相川と一緒にいるからさ、あいつ。だからかな」

「あー…なるほど…仲良いもんねあの2人。知り合いだったりするの?」

「…さぁな。俺は知らねぇよ、あんな奴」

「うーん…雄が知らないだけでふうちゃんと竜くんは会った事あったりしてね」

俺が知らない所でか…
何かそれ複雑なんだけど

「まぁ、そんな深く考えすぎるなって!そうと決まった訳じゃないんだからさ、元気出せって!な?」

「…おう!ありがとな、愛斗!お前のおかげで元気出てきたよ!」

「お?さすが俺だな!」

愛斗の言う通り、考えすぎはよくない
ここは一旦、考えるのをやめよう

俺はいつも通りしてればいいだけだし
楓夏を思い続けてれば…

それでいいよな?