紅蓮の炎


遠くで朔夜がその細い体からは信じられない威力で逃げ出す北…、バジリスクを蹴りつけ、飛ばしながら中学生とは思えない程の妖艶さで笑う。

その隣でも、可愛らしい顔に返り血を浴びながらも踊るかのように自然な動きで技を繰り出していく真守がいた。

その他にも視線を巡らせると、


「そないな物騒なもん振り回さんといて~こーわーいー」


といいながら木刀持って3人くらい瞬殺してる大悟。

その奥でも


「やべーよ、
北の奴らクレジットカード大量に持ってんじゃねーか!」

「俺今月金欠なんだわー」

「いや俺もだし!」

「こっちにもカードある!」

「それデビットじゃん」

「使えんの?」

「…使えんじゃね?その場払いだし」

「じゃこれは?」

「プリペイド」

「南じゃどのカードも使えねーよ」

「よその町で使えばいいじゃん」

「そーだな」


堂々と犯罪宣言をしたパンサーの連中は、倒して屍と化したバジリスクの奴らの財布から速やかに素早く且つ、迅速に
カードだけを引き抜き自分達のズボンのポッケに入れる。
その中には図書カードやテレホンカードまで紛れていた。

彼らは異様に連合の視線を集めていた


「いやいやいや
ちょお君等?ここは俺も混ぜよーや」


ヘラヘラと笑いながら…、いや、目だけは笑えていない顔で大悟が近づく


「大悟、お前総長だろ」


遠くで英人が声をかけるが


「金持ちのお前には分からんわ!この学生の金欠病ってもんをなぁ!!」

「アホじゃねぇの?」


英人が冷めた目で見るがお構いなし

なにがあったのか北が撤退を始めた。

いつの間にか健太のいる右翼の方でもパンサーの連中が屍の山に群がっている。

そして辺りの騒音は徐々に静まり始める。