紅蓮の炎











のに、



---キィィィン







小さな、甲高い音と共に、


その鉄パイプは止められた。





「危ないもん振り回しよるなぁ。しかも顔面とは…
どないな教育しとるんや」


特徴的な関西弁と京都弁が入り混じったような言葉を操る奴によって。


「やっと…、来たのか」


思わず自分の口がそう動いていた。
すると奴は…、戸矢大悟は、端整な顔でへらっと笑って


「俺らこんでも南からぶっ飛ばしてきてんで~
ほんでもやっぱ遠いなぁ~、もう俺疲れた」


と、ダラダラと言葉を紡ぐ。
ふと気づくと、
俺を囲んでいた残りの奴らがいつの間にか地面に沈んでいた


「ま、ぱっぱと終わらしてまおか」


本当に、いつも通り、緊張感のない声音で鉄パイプの男を早々と地面に沈め、持っていた竹刀を肩に担ぐ。

ほんの少し、この場一帯が静かになった気がした。




大悟の近くにパンサーの面子が竹刀、木刀、メリケンサックにヌンチャク、挙句の果てにフェンシングで使うエペや競走馬に揮う鞭まで持っている奴…、どこでそんなものを仕入れたのかよく分からないが、とにかく武器を持っていた


「金属バットに鉄パイプ」

「マジ趣味悪ぃなこいつら」

「ホームランを繰り出すもので人殴っちゃいけません!」

「おい、お前バットなめんなよ。こいつらバントも出来るんだぞ!」